今回の内容はギターを初めて手に入れて、とりあえず1曲弾けるようになるまでにしなきゃいけないことを順を追って解説していきます。
ギターを手に入れて練習始めてみたけど、なにからやっていいのかわかんないよ~って方も是非読んでみてください。
※アコースティックギター、エレキギターどちらでも通用する内容です。
目次
まずはチューニングをしよう
さて、それではやっていきましょう。
まずはギターの6弦から1弦までが正しい音程で鳴るように弦の張りの強さを調整します。これを見出しにもあるように「チューニング」と言います。
チューニングに必要な道具、チューナーを用意します。
※クリップチューナーで説明しますが、スマホアプリのチューナーでも構いません
クリップチューナーをギターヘッドに取り付けて、6弦から順番に1弦まで確認していって、音程がズレていたらペグを回して修正します。
6弦の音は「E」です。
メーターの針が真ん中より左側だと弦が緩い、右側だと弦を強く張りすぎている、ということになります。ちょうどこんな風に真ん中に針が止まれば6弦のチューニングは完了です。
弦を緩める、しめるには?
弦を緩める、しめるにはギターヘッドについているペグを回します。
私が使用している FG830 のようにヘッド部分の両端にペグが3つずつあるタイプのギターは、6弦から4弦までは左に回すと弦がしまり、右に回すと緩みます。そして3弦から1弦まではその逆で、左に回すと弦が緩み、右に回すとしまります。
弦がしまるのか緩むのかは実際にペグを回せばわかるので、確認しながらやってみてください。強くしめすぎると弦が切れてしまうかもしれないので、始めのうちは慎重にやりましょう。特に1弦は細くて切れやすいで注意が必要です。
6弦のチューニングが出来たら、残りの5弦~1弦のチューニングをしましょう。
5弦:A
4弦:D
3弦:G
2弦:B
1弦:E
です。
ポイント①開放弦の正しい音程を覚えちゃいましょう
ここまでやってきたチューニングですが、開放弦の音程が正しく鳴るように調整してきました。
開放弦というのは、フレットのどこにも指を押さえていない状態のことす。
私が初心者の頃は、6弦から1弦までの開放弦の正しい音程 E、A、D、G、B、Eをノートに書きだして、チューニングのたびにノートを開いていましたが、とってもめんどくさいと思っていました。絶対に覚えてしまった方が楽です。
覚え方は、
E A D G B E
い え で 地 ビ ー ル(字余り)
もしくは
E A D G B E
い え で ジ ビ エ
です。
覚えやすい方で覚えちゃってください。
ポイント②弦がしまりすぎてたら大きく緩めてからしめる
チューニングで音を鳴らした時に、チューナーのメーターの針が右側に振れていた場合は、少しずつ弦を緩めて真ん中に針がいくようにするのではなく、メーターの左端に針が振れるくらい大きく弦を緩めます。そしてその後、弦をしめていって真ん中にいくようにチューニングします。
これをする理由は、一旦大きく緩めてからしめる方がチューニングがズレにくいからです。チューニング時に弦が緩かった場合は、単純にしめるだけで OK です。
さてさて、チューニングが完了したら次のステップでギターを弾いてみましょう。
単音弾き(ドレミファソラシド)を弾いてみよう
これからギターを始める初心者がなにから弾けばいいのか?
ドレミファソラシド、コード、とにかく好きな曲を弾け、ネットで検索すればいろいろと出てきますが、私がおすすめしたいのは「ドレミファソラシドを弾く」です。
理由は初心者にとって、得るものが多いからです。ざっくり言って以下の3つの効果があります。
・指版の規則性が垣間見える
・人差し指から小指まで使う練習ができる
・ドレミファソラシドの音程の感覚、違いを感じれる
では、さっそく下の指版図を確認してください。指版上のどこにドレミファソラシドがあるのかを示しました。
弾き方
5弦の 3フレット目にある「ド」から 3弦の 5フレットにある1オクターブ高い「ド」までを順番に1音ずつ弾いていきます。
ポイントは各フレットでどの指が担当するかを決めています。担当以外の指では弾いてはいけません。最初のころは全部人差し指で弾きたいところですが、どの道この先使い慣れていない薬指や小指も使うことになるので、最初から意識的に使う目的でこのルールにしています。
2フレット目の「ミ」「ラ」は人差し指。3フレット目の「ド」「ファ」は中指、「シ」は薬指、「レ」「ソ」1オクターブ高い「ド」は小指が担当です。
【ドを弾く】
① 5弦の 3フレット目を左手中指で押さえる
②右手のピックで 5弦をはじく
【レを弾く】
① 5弦の 5フレット目を左手小指で押さえる
②右手のピックで 5弦をはじく
【ミを弾く】
① 4弦の 2フレット目を左手人差し指で押さえる
②右手のピックで 4弦をはじく
【ファを弾く】
① 4弦の 3フレット目を左手中指で押さえる
②右手のピックで 4弦をはじく
【ソを弾く】
① 4弦の 5フレット目を左手小指で押さえる
②右手のピックで 4弦をはじく
【ラを弾く】
① 3弦の 2フレット目を左手人差し指で押さえる
②右手のピックで 3弦をはじく
【シを弾く】
① 3弦の 4フレット目を左手薬指で押さえる
②右手のピックで 3弦をはじく
【1オクターブ高いドを弾く】
① 3弦の 5フレット目を左手小指で押さえる
②右手のピックで 3弦をはじく
ドレミファソラシドを綺麗に弾くコツ
もしも上手く弾けない場合、1点だけ見直してほしいことがあります。
それはネックの握り方です。ネックの握り方には2種類あります。
ロックフォーム(シェイクフォーム)
こんな風に親指をネックの上側から突き出る感じに握り込むフォームです。
親指と人差し指の付け根をネックの裏側に密着させるので安定感がある、親指で 6弦をミュートするときに便利です。
クラシックフォーム
手のひらに卵を握っているような感じでネックを握り込みます、親指をネックの裏側のちょうど真ん中あたりに置いて、それ以外の指を前に出します。
ロックフォームに比べて人差し指、中指、薬指、小指の可動域が広く、6弦全部を押さえるバレーコードを弾く場合はクラシックフォームの方がやりやすいです。
※曲によっては弾きやすいフォームに切り替えながら弾きます。どちらかのフォームに固定して最後まで弾き切らなきゃいけないわけではないので、そこは勘違いしないよう注意です。
で、肝心のドレミファソラシドを弾くときですが、クラッシックフォームで弾きます。クラッシックフォームで弾き切ってください。
最初のうちは、薬指と小指がなかなかうまく押さえられないかと思います。また右手で狙った弦にピックをヒットできないというのも、あるあるです。
大丈夫、練習すればどちらも必ず出来るようになります。
とりあえずドレミファソラシドがスムーズに弾けるようになるまでは、練習前のウォーミングアップとして取り入れてみてください。5分くらいでいいです。毎日やれば少しずつ指がスムーズに動くようになってきます。薬指、小指が自由に動かせるようになれば色んな曲が弾けるようになるので、それをモチベーションに続けてみてください。
さて。今の時点で綺麗にドレミファソラシドを弾けなくてもいいので、弾き方がわかったのであれば次のステップに進みましょう。(最終的には綺麗に弾けるようにならなきゃダメですよ!)
と、その前に。
せっかくドレミファソラシドを弾いたので、今後絶対に役立つギターの基礎知識を紹介しておきます。
ギター基礎知識①指板の規則性について
さきほどは 5弦から 3弦を使ってドレミファソラシドを弾きましたが、1つの弦だけでドレミファソラシドを弾いたらどうなるか?
5弦の 3フレットの「ド」を起点にして、フレットを右へ移動していくと、こんな風になります。
「ド」と「レ」の間は 2フレット分の間隔があって、これを全音と呼びます。「ミ」と「ファ」は隣通しで 1フレット分の間隔があり、これを半音と呼びます。
「ド」から 1オクターブ上の「ド」まで、「全、全、半、全、全、全、半」の間隔で並んでいます。注目してほしいところは、「ミ」と「ファ」、「シ」と「ド」が半音になっているというところです。
「ド」から 1オクターブ高い「ド」まで、基本的には 2フレット分の間隔があるけど、「ミ」と「ファ」、「シ」と「ド」の間だけ 1フレット分の間隔になっているんだ、へえ~。くらいに思っていれば OK です。
この全音、半音については今後、ギターを弾たり、音楽理論を学ぶようになると必ずぶち当たることになりますので覚えておきましょう。
ちなみに勘の良い人はもうお気づきだと思うのですが、0フレットから12フレット、12フレットから 24フレットまではまったく同じ音の並びになっています。下の図では 5弦の音名だけ載せていますが、他の弦も全く同じ理屈が通用します。
ギター基礎知識② E A D G B E とドレミファソラシド
さて、E A D G B E という英字の並びを見てピンときますか?
そうです、最初の方でやったチューニングの、開放弦の 6弦から 1弦までの音程を表す英字です。この英字についても説明しておきます。
今後楽譜を読んだりコードを弾いたりする時に、この英字がなにを表すのか知っていると役立ちます。
ドレミファソラシドの音名はイタリア語です。調べてみると教会の讃美歌で使われていたのがヨーロッパ各国に広まっていき日本にも普及したようです。歌の世界ではドレミファソラシドが親しまれているのですが、楽器の世界ではドレミファソラシドではなくアルファベットの英字が使われるのが一般的のようです。
なので、音名を以下のように表します。
C = ド
D = レ
E = ミ
F = ファ
G = ソ
A = ラ
B = シ
つまりチューニングの時の開放弦の音は 6弦から ミ、ラ、レ、ソ、シ、ミ の音になるように調整していたということになりますね。
今後はこのアルファベット表記の「C、D、E、F、G、A、B」を意識して使っていくようにしましょう。
ちなみに、ここまででやったドレミファソラシドの指版上でのフレットの間隔、全全半全全全半の法則を知っていれば、開放弦の音名を覚えるだけで指板上のドレミファソラシドの音がすべて自力で導き出せることになります!
コードを弾いてみよう
お次はコードを弾いてみましょう。
コードとは和音のことで、ギターだと左手の指で何本かの弦を押さえて、右手で複数の弦を同時に弾くことで和音を鳴らします。
コードを覚えるなら、よく使われるコードから覚えていくのが良いです。なので、今回のこの投稿では最後によく使われるコードを使ってパッヘルベルのカノンを弾きたいと思っています。
カノン進行(コードをどういう順番で弾くかパターンがある)は J-POP などでよく出てくるものなので、弾ける曲の選択肢が広がるという意味でやっておいて損はありません。いや、むしろお得なことしかありません。
カノン進行の中で出てくるコードの中でも、特によく出てくる2つのコードを弾いてみましょう。
Cコード
まずはCコード。黒丸、赤丸の3か所を押さえます。
押さえ方は、人差し指で 2弦の 1フレット、中指で 4弦の 2フレット、薬指で 5弦の 3フレットです。押さえたら、右手で 5弦から 1弦までの同時に鳴らします。
ミュートについて
指板図を見ると、6弦の開放弦に×が付いています。つまり6弦は鳴らしてはいけません。
鳴らしちゃいけない弦のこと、また弦を鳴らさないようにすることをミュート、もしくはミュートする、と言います。
このミュートは、綺麗な演奏をするためには絶対に身に付けなければいけない必須のテクニックですが、今回はこのミュートについてはスルーします。おそらくここまで読み進めていただいている方であれば、まだギターを鳴らすのに手いっぱいだと思います。ミュートまで意識しようとすると余計に音を鳴らせなくなると思います。
とりあえず、3か所の弦が押さえられて、5弦から1弦までの音を鳴らせれば、最悪 6弦の音が鳴ってしまっても Cコードはクリアということにしましょう。
※完璧主義だとギターを挫折しやすくなります。1つ1つクリアしていけばいいので、最初から複数のことを同時に出来るようにしようとすることは、私はあまりおすすめしません。
1つでもクリアできたら大いに喜んでください。
ルート音(根音)について
Cコードを鳴らすだけなら、そこまで難しくないとは思うので、コードについてもう少し深く突っ込んどきます。
さきほどのCコードの指板図では、開放弦、指で押さえる3か所にアルファベットで音名を振っています。ドレミファソラシドで「ド」を弾きましたが、今回はそこがアルファベット表記の「C」になっていますね。
そしてこの「C」をあえて赤丸にしていますが、その意図はこのCコードの中で、5弦 3フレットのCの音がルート音になっているというところにあります。
ではルート音とはなにか?というと、ざっくり言うとそのコードの中の代表選手となる音のことです。このルート音「C」に対して「E」「G」1オクターブ高い「C」が重ねられて、Cの和音が作られています。
Cコードなので、そりゃ「C」の音が代表選手になるのは当たり前っちゃ当たり前ですが。もう一つルート音の特徴として、基本的に鳴らす音の中で最も低い音がルート音になります。
そこら辺の詳しいことについてはおいおいブログを通して説明していくつもりなので、とりあえず「コードというのにはルート音(根音とも言う)という屋台骨になる音があって、その音にいくつかの音が重ねられて綺麗なハーモニーを奏でられるんだ」と覚えておいてください。
Gコード
Cコードと並んでよく出てくるGコードを今度は弾いてみましょう。
押さえる箇所は以下の指板図の通りです。
押さえ方は人差し指で 5弦 2フレット、中指で 6弦 3フレット、薬指で 1弦 3フレットです。
今回は 6弦から 1弦までのすべての弦を鳴らします。Cよりは簡単ではないでしょうか?
Gコードの構成音はルート音が 6弦 3フレットの「G」、そして「B」「D」が重ねられて Gコードとなっています。
とにかくCコードとGコードを綺麗に鳴らす
とりあえずのところは、この2つの Cコードと Gコードのを綺麗に鳴らせるように練習しましょう。何度かチャレンジしてみれば、多少音が汚くてもそれっぽい音になるはずです。
今の時点で完璧に綺麗に鳴らす必要はないので、ご自身である程度弾けるようになったかなと思えたら次のステップに進んでもらって構いません。
どの道この先、曲の練習をするようになれば嫌と言うほど CコードとGコードは弾くことになるので、少しずつブラッシュアップしていって綺麗に鳴らせるようになるはずです。
先ほども書きましたが、最初から完璧を目指していると先に進めないジレンマに陥ります。そうするとギターを弾くのがどんどん楽しくなってしまうので、そこそこ出来れば次へ進むという感覚が大事です。
もちろん今の時点で出来ていないところは把握しておくべきで、出来ないところはいずれは出来るようにしていく必要があります。
コードチェンジしてみよう
さて、Cコードと Gコードをそこそこに鳴らせるようになったら、次にチャレンジするのはコードチェンジです。
曲を弾く場合、必ずコードチェンジが発生します。CコードからGコードに変わったり、まだ書いていないDコードに変わったり、曲のスピードに遅れることなくタイミングよく押さえる弦を切り替える必要があります。
それでは先ほど覚えた Cコードと Gコードを使ってコードチェンジをしてみましょう。
以下の手順で弾いてみてください。
① Cコードを4回鳴らす
② Gコードを4回鳴らす
③ Cコードを4回鳴らす
④ Gコードを4回鳴らす
4拍子でCコードを4回鳴らして、Gコードを4回鳴らす。それを2周続けるわけですが、コードチェンジする時に4拍子のリズムを崩さずに同じテンポで弾いてください。
Cコードと Gコードを “そこそこ” 鳴らせるぐらいだと、とんでもなく難しいかもしれませんが、Cコード4回、Gコード4回を2周とは言わず、ある程度テンポが狂うことなく弾けるまで繰り返して練習してみてください。
コードチェンジのポイント
コードチェンジのポイントは、何度も何度も何度も何度も繰り返し練習するだけです。裏技なんかありません。とにかく繰り返して指にCコードとGコードの形を染み込ませるように覚えさせるだけです。
不思議なものですが、人間の体というのは繰り返し同じ作業をしていると、頭で考えなくても無意識のうちに体が効率よく作業をこなそうとします。
何度もCコードとGコードを押さえていれば、指が勝手に効率よく無駄な力を使わずに綺麗に音を鳴らせる場所を探していつの間にか綺麗に音が出るようになります。そして何度もコードチェンジしていると、なるべく無駄のない動きで次のコードを指が押さえにいくようになり、4拍子のテンポを崩すことなく次のコードを押さえられるようになります。
多少時間はかかりますし、個人差はありますが、練習すれば絶対に弾けるようになります。
そこら辺のことはつい先日こんなのを書いたので、興味があれば読んでみてください。
さて、それでは次のステップに進みましょうか。
コードチェンジがそこそこ出来るようになった人も、最悪全然上手くいかないって人も、とりあえず次のステップに進んでみてください。
今回のこの記事の1番の目的は、初めてギターを手に入れて、1曲弾けるようになるまでに何をしなければいけないのか?を知ってもらうこと なので。
ストロークしてみよう
ストロークとは、右手を振って複数の弦をはじいて音を出すことです。そうです、右手でジャカジャカ弾くことです。
このストロークには2つの方法があります。
ダウンストローク
その名の通り、上から下に向けて(6弦から1弦に向けて)弾くダウンストロークです。
おそらくさきほどのコードチェンジをやった時は、特にストロークについては触れていませんでしたが、ダウンストロークで弾いていたのではないかと思います。
アップストローク
ダウンストロークとは逆で、下から上に向けて(1弦から6弦に向けて)弾くのがアップストロークです。
ダウンストロークとアップストロークで、ピックが弦の上からはじくのか、下からはじくのかで力加減だったり、ピックの当たる角度が違い、最初の頃はなかなか感覚をつかむのに戸惑うかと思います。(私も最初はアップストロークがやりにくくてしかたなかったです)
この2つのストロークで、アップで弾いたときもダウンで弾いたときも同じ音量の音が出るのが理想です。ダウンストロークばかりやっていると、昔の私のようにアップストロークを使うの異様に音が大きくなってしまったり、汚い音で鳴ってしまったりする可能性があります。
そうならないためにも、最初のうちからダウンストロークと同じくらいのバランスでアップストロークで弾くようにしておくとよいです。
アップストロークは曲を弾く上で必須
さきほどCコードとGコードのコードチェンジをしていた時、どのように弾いていたかを表す Tab譜を作ってみました。
Tab譜はこの先お目にかかることになると思いますが、簡単に見方を説明します。
1番上の横線が 1弦を表し、一番下の横線が 6弦を表しています。数字はフレットを表しています。そして「冂」はダウンストロークを表す記号なので・・・
1小節目は Cコードをダウンストロークで 4回弾いて、2小節目で Gコードを 4回弾く、ということが読み取れますね。
では、次のTab譜はどうでしょう。
先ほどの Tab譜と大きく違うところが2つあります。
・アップストロークを指示する記号がある
・1小節で 8回弾かなければならない
今回の Tab譜は、Gコードをダウンストロークとアップストロークで交互に弾いて、1小節で 8回弾かなければならないことを表しています。
1小節の時間的な長さは先ほどの Tab譜と同じなので、もしもすべてダウンストロークで弾くには 2倍の速さで右手を振らないといけませんが、アップストロークと交互に弾けば右手を振る回数は、先ほどと同じです。
1小節に 8回ストロークしなければならない場合、ダウンストロークだけで弾いてたら、曲のテンポについていけません。
ここまでで載せた Tab譜のストロークは練習する必要はありません。アップストロークは絶対に出来るようにならなきゃダメだよ、って説明するために作ったものなので。長々とすみませんでした。
さて。それではストロークの練習に移りましょう。次に載せる Tab譜のストロークを練習してください。
練習するストロークパターン
ストロークパターン①
1つ目のストロークパターンはこちら。
4拍子の 1拍目でダウンストロークしてあとは、アップ、ダウンを次の 2小節目まで空振り(音を鳴らさない)します。各小節の頭の 1拍目だけダウンストロークしてあとは空振りを続けるストロークです。
※ Tab譜ではCコードを書いていますが、ストロークの練習なので Gコードが弾きやすければ Gコードで弾いてもかまいません
ポイントは、1拍目で鳴らした音が途切れないように次のダウンストロークまで音を延ばし続けてください。
文字で弾く手順を書くと以下の通りです。
1小節目
1拍目(表):ダウンストローク
1拍目(裏):アップストローク(空振り)
2拍目(表):ダウンストローク(空振り)
2拍目(裏):アップストローク(空振り)
3拍目(表):ダウンストローク(空振り)
3拍目(裏):アップストローク(空振り)
4拍目(表):ダウンストローク(空振り)
4拍目(裏):アップストローク(空振り)
※ 2小節目以降は1小節目と同じ
ストロークパターン②
2つ目のストロークパターンはこちら。
このストロークは是非ともマスターしてほしいです。このストロークが出来れば、だいたいどの曲でも使える汎用性の高いストロークパターンです。私はこのストロークのことを勝手に「オールマイティーストロークパターン」と呼んでいます。
さて、このストロークについてですが、1拍目(裏)のアップストロークと、3拍目(表)のダウンストロークを空振りしています。わかりやすいように文字に起こしておきます。
1小節目
1拍目(表):ダウンストローク
1拍目(裏):アップストローク(空振り)
2拍目(表):ダウンストローク
2拍目(裏):アップストローク
3拍目(表):ダウンストローク(空振り)
3拍目(裏):アップストローク
4拍目(表):ダウンストローク
4拍目(裏):アップストローク
※ 2小節目以降は1小節目と同じ
カノンを弾いてみよう
ようやくここまでたどり着けましたね。いよいよ曲を弾きます。
カノンで出てくるコード
カノンではここまでで練習した Cコード、Gコードの他に、以下の 3つのコードが出てきます。
Amコード
Cコードを弾けるようであれば、Amコードはそこまで難しくありません。Cコードから薬指を 4弦 2フレットに移動させれば Amコードになります。
Emコード
Emコードは簡単ですね。人差し指を 5弦 2フレット、中指を 4弦 2フレットに置けば完成です。6弦の開放弦がルート音になっているので、6弦を鳴らすことを意識しましょう。
Fコード
初心者の壁と言われる有名な Fコードです。人差し指で 1フレット目の 6弦から 1弦の6本を押さえます。そして中指で 3弦 2フレット、薬指で 5弦 3フレット、小指で 4弦 3フレットを押さえます。
初めて人差し指から小指までのすべての指を使うコードが出てきましたね。
正直なところ、ギターを始めたばかりの初心者が弾くには難しいコードです。いきなり弾けるようになるのは天才だけで、Fコードが綺麗に鳴らせるようになるまでには個人差はありますが、時間がかかります。
だけど、だからこそ Fコードの含まれている曲を練習することに意味があります。カノンを弾いて練習すれば、いやでも Fコードを弾かなければならず、Fコードの位置に指を何度も置くことになります。何度も弾いているうちに指が勝手に Fコードを綺麗に鳴らせるポジションを少しずつ調整していきます。最初は音がならなかったり汚い音になったとしても気にせず弾き続けてください。私の場合も Fコードを克服しようと Fコードの練習をしていたわけではなく、Fコードの含まれる曲の練習をしているうちに、いつの間にかFコードが弾けるようになっていました。続けた者勝ちです。
カノンのコード進行
では、カノンを弾くのにはどういうった順番でコードを弾いていけばいいのかを説明します。
答えは
C ⇒ G ⇒ Am ⇒ Em ⇒ F ⇒ C ⇒ F ⇒ G
最後のGまで来たら、また頭のCに戻れば永遠に弾いていられます。
ストロークパターンは、先ほどやった2つのパターンのうちどちらを使っても構いません。弾きやすいストロークで弾いてみてください。
簡単なのはストロークパターン①ですが、慣れてきたら是非ともストロークパターン②(オールマイティーストロークパターン)でも弾いてみてください。カノンの美しい音色に癒されます。
もちろんストロークパターン①と②の両方を組み合わせたりしてもオーケーですし、自分で思いついたり弾きやすいストロークパターンが見つかれば、それで弾いてもOKです。
鳴らすコードの順番だけ間違えないようにしてください。
この先の練習について
ここまでざっと、カノンを弾くまでに必要となる最低限のことを説明してきましたが、曲を弾くのにどんな練習が必要なのかだいたいわかっていただけたでしょうか?
今後さらにギターを上達していく上でどんな練習をすればいいかについて、優先順位の最も高い3つを書いておきます。
※最初から難しい練習をしても効果が薄く、効率が悪いです。出来ることから、出来そうなことから始めていくのがおすすめです。ギターは練習することの順序を間違えると上達するスピードが遅くなってしまうので。
運指練習(左手で指板を押さえる練習)
左手の人差し指から小指の 4本を独立して自由に、そして速く正確に動かせるようにするための練習が運指練習です。
運指練習で代表的なのだと、クロマチック練習がありますね。指板上の各フレットを人差し指から小指で順番に移動させて音を鳴らしていく練習です。ドレミファソラシドのようにどんな音を鳴らすかは関係なく、非常に単調で機械的な練習方法です。
(ネットで「クロマチック練習」と検索すれば、たくさん出てきます)
さきほどやった単音弾きのドレミファソラシドも人差し指から小指を使っていて、十分運指の練習になるので、そちらで代用してもいいと私は思います。
リズム練習(ピッキング、ストロークの練習)
今回はリズムについてあまり触れませんでしたが、ある程度コードを押さえられるようになって曲を弾くようになってくると、リズムに意識がいくようになります。
綺麗に音が鳴らせてもリズムが狂っていると、演奏が下手に聞こえるからです。
リズムの練習をするときに強い味方になってくれるのがメトロノームです。メトロノームに合わせてドレミファソラシドを弾くだけでもリズム感を鍛えることができます。
あとは曲を弾くときに音源を用意して、曲に合わせて弾いてみるのもいいでしょう。
ギターを持たずに曲に合わせて踊るのも効果的です。
初心者の頃はギターを弾くことに手いっぱいになってしまって、回りの音を聞く余裕がありません。ギターを弾くことに慣れてきたら、回りの音を聞きながらリズムに合わせるという訓練が必要になってきます。
曲を弾く練習
最後の 3つ目は、曲を弾く練習です。
好きな曲でもいいですし、自分が弾けそうなコードだけで構成されている曲でもいいです。とにかく曲を弾きましょう。
なんでギターを弾いているか?って、曲を弾くためなんですから。
曲を弾くことで気づくことや得るものは多いです。上に挙げた運指練習、リズム練習も曲を弾いているうちに、「あ、ここコードチェンジが上手くできないな」って思ったら運指練習、リズムが狂うなって思ったら、リズムを意識して原曲を 音楽プレーヤーで流しながら練習してみたりと、足りないところを補うような練習をしていけば、どんどん上達していくはずです。
ちなみにネットで検索すれば、弾きたい曲の Tab譜やコード譜を無料で見ることができます。
「弾きたい曲の曲名 + ギターコード」でネットで検索すれば、だいたい楽譜サイトがヒットすると思います。私はよく U – フレット さんを使わせてもらっています。(J-POPだったらだいたい U – フレット さんにあります)
マイナーなアニソンだったり、ゲームミュージックだとない場合が多いのですが、YouTubeで検索してみるとあったりすることもあります。
今日もギター弾こうぜ!
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。
私がギターを買ったばかりの初心者だった頃に、どんなことを教えてもらえたらスムーズにギターを弾き始めることができただろうか?と考えながら今回の記事を書いてみました。
ギターはとっても楽しい楽器です。せっかく手に入れたギター、この記事を読んでくれたあなたのギターがホコリをかぶることなく、長く弾き続けてもらえたら私は嬉しいです。